東京五輪延期でもおもてなしの灯は消えない 秋田・大潟村

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 東京オリンピック・パラリンピックに出場する選手たちを受け入れる「ホストタウン」で、デンマーク・ボート競技の事前合宿地となっている秋田県大潟村。延期の受け止め方は複雑のようだ。

 大潟村のホテル「サンルーラル大潟」では、デンマーク代表選手が村内で合宿を行う6月23日から7月19日までの間、ワンフロア12部屋を貸し切りにするほか、1日5食のデンマーク料理を提供する予定だった。期間中の売り上げ見込みは、約1500万円。延期でゼロにならないとは言え、新型コロナウイルスの影響でキャンセルが相次ぎ、すでに数千万単位の損失がある中でのさらなる売り上げ減少は深刻な状況だという。

 一方、村内では前向きにとらえる声も聞かれた。大潟村教育委員会の石川歳男教育次長は「ポジティブに捉えて準備を進めていけると思っている」と語った。

 デンマークのホストタウンとして、この2年間は代表チームの受け入れ準備に奔走してきた大潟村の教育委員会。2018年から村の国際交流員として、橋渡し役を務めてきたデンマークのアントンさんは、引き続きのサポートを誓いながらも延期の決定は選手ファーストと評価する。「自分の健康もあまり優先できないし、一生に1回のオリンピックなので早めに決断が出て良かったと思う」と笑顔で話した。

 大潟村では選手たちのトレーニング室や更衣室の整備、漕艇場に設置するブイの購入費などで約2000万円を支出してきた。しかし、ブイは設置する前で、トレーニング室は一般利用もできるため、かかった費用がムダになる訳ではないという。平ノ内亮主任は「全国の大学、社会人チームの合宿にも使ってもらいたいという整備だったのでその順番は変わるが、オリンピックをいつ開催するか決まったら、それに向けて粛々と準備を進める」と語った。

 聖火リレーなど当初の予定通りにならないものもあるが、大潟村の人たちに灯ったおもてなしの心の火が消えることはない。