秋田県は1つのJAに 2024年4月の一本化へ基本構想の素案まとまる JA秋田中央会

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 秋田県内13JAの一本化を目指す県1JA基本構想の素案が16日、まとまった。合併後の混乱を最小限に抑えるため、現在のJAを単位とする地区本部制を検討している。

 16日に秋田市で開かれたJAグループ秋田の組織再編を検討する協議会の冒頭、JA秋田中央会の船木耕太郎代表理事会長は「合併した後の組合の運営がつまづくことのないよう進めることが一番重要」と開口一番語った。

 JA秋田中央会は、秋田県内各地の13JAを統合する県1JAを目指している。統合の時期は2024年4月1日とし、2019年度は県1JAに向けた基本構想を検討するための素案や自己資本比率などの共通の財務目標、資産・債権の処理などを検討してきた。

 各JAの組合長などが集まった会議の本格的な協議や決議は非公開で行われ、県1JA基本構想の素案がまとまった。基本姿勢としては、合併によるスケールメリットを最大限生かして生産者の所得や農業生産の拡大を目指すほか、地域社会への貢献、経営力の強化などを掲げるとしている。また、合併当初の混乱を最小限に抑えるため、現在のJAを単位とする地区本部制を検討する。

 「合併すると組合員との距離が生まれる。JAと各連合会、特に全農含めてどうやって合併効果を出していくか」と会見で課題を述べた船木会長。2020年度から統合前までに、財務目標の達成や不採算部門の再編、事務と会計システムの統一などに取り組み、2022年度に総代会を経て、県1JAを承認してもらう考え。

 県1JAを目指す背景には、組合員となる生産者の高齢化と減少などに伴い出資金が減少し、13JAを合わせた収支は2026年度に31億円の赤字となる見通しだった。一方、県1JAを果たせば赤字が回避できると試算されていた。2018年11月の県JA大会で県1JAを目指す再編案を決議した。

 16日の協議会後の会見で、船木会長は「2020年度は県1JA構想に向けてどう枝を付けていくかという作業になる。もっといろんな意見が出てくると思う」と抱負を述べた。

 しかし、課題は山積みだ。各地域に対するサービスの維持・向上に加え、2018年度の決算時点で20億円を超える累積赤字を抱えるJA秋田おばこが、統合までに赤字を解消できるかなどが挙げられる。組合員や職員はもちろん各地域に理解してもらえる県1JAの姿を具体的な統合までに示せるか、JAグループトップの指導力が問われる。

(解説)

 巨額赤字を抱えるJA秋田おばこの支援策として、JA全農は3月、JA秋田おばこから、2020年産米から5年間、年間1万トンの加工用米の販売を受託する契約を結んだ。JA秋田おばこの経営安定に繋がると期待されている。一方、生産者からは「サービスの低下につながる」と県1JAに反対する声も聞かれる。

 合併の承認を目指す2年後の2022年度までに合意形成を図れるか、丁寧さが求められるが、その時間がないのが現状。