噴火湾のホタテ 前代未聞のピンチ…謎の"大量死" 漁師悲鳴「どうやって生きていけば」 北海道

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 日常生活の中で様々な料理に使われ今や海外からの人気も高い北海道産の「ホタテ」が、大ピンチです。道内有数の産地・噴火湾では、養殖していたホタテが原因不明の大量死。今シーズンの水揚げ量は去年の約3分の1程と大幅に減る見通しで、漁業関係者は悲鳴をあげています。

 噴火湾で30年以上、ホタテの養殖をしてきた、山戸勝久さん。今年、前代未聞の事態に追い込まれています。

 ホタテ漁師 山戸勝久さん:「(Q、これはほとんど死んでる?)死んでる死んでる…生きてるのはこれ、これみんな死んでますよ。生きてるのが2割くらい」

 貝柱がなくなった無数のホタテ貝。そして、ホタテの成長を妨げ死にいたらしめる外来生物ザラボヤが大量に付着しています。引き締まった身と甘みが特徴の噴火湾名物がまさに壊滅状態です。

 ホタテ漁師 山戸勝久さん:「商売になんねぇって死活問題だ。(Q、収入の補償は?)共済保険はあるけど、生活に間に合うもんじゃない…。これ原因だってわかんねぇからな。死んでる原因」

 今シーズン見込まれる噴火湾全体のホタテ水揚げ量は約21000トン。台風の被害で近年最低だった、2016年に次ぐ状況です。

 ただ、翌年の水揚げ量は63000トンに回復。稚貝が無事だったことが、功を奏したのです。しかし今シーズンは…。

 ホタテ漁師 山戸勝久さん:「これ生きてるやつ、なんぼあると思う? 全部死んじまってる…これ貝柱出てる!死んでるわ。これ見たら来年もダメなの確定だ…。どうやって生きていけば」

 稚貝から飛び出した貝柱…。本来、噴火湾のホタテは半年ほど成長させ、その後、「耳づり」という方法で、ひもにつなぎ、海中で1~2年ほど育て出荷されます。しかし大量死は、来シーズン出荷予定の稚貝にまで及んでいたのです。

 ホタテ漁師 山戸勝久さん:「今回は売る貝もこれからの稚貝も、ダブルパンチ。収容枚数を70枚から、40枚に減らして貝に負担をかけないようにしてるけど、それでこれ…だから俺ら漁師も手の施しようがない。研究機関に1日でも早く原因を究明してほしいわ…」

 函館水産試験場。長年ホタテ貝を研究する西田さんは原因究明を急いでいます。

 函館水産試験場・管理養殖グループ 西田芳則研究主幹:「ホタテの殻には「障害輪」といって、木の年輪のようなものがあって、シケなどで成長が止まると障害輪ができるんです。死んだ貝の障害輪を調べた結果、7~8月に異常をきたしたと考えられます。来年度の夏は、タイムラプスカメラを置いて、ホタテの状態が悪くなった時に、その時の環境はどうだったかというのを調べていきたい」

 常時、ホタテを監視し、大量死の原因究明を急ぐ、研究者。世界的な人気になった道産ホタテの主要産地、噴火湾の一刻も早い復活が待たれます。