買いだめまた...どうして? “外出自粛”がカギ その心理

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26日、東京都内のスーパーの前で出会ったお母さん。

両手には5つもの買い物袋が...。

30代女性(子ども2人)「買い物は(普段の)倍以上買ってます。普段食べてる物を多めに」

買い込んだのは、野菜やお菓子、牛乳などで、いつもの倍以上。

なぜこれほどの量を買いだめしたのか、その訳を聞いてみると...。

30代女性(子ども2人)「週末(外に)出ちゃいけないって、きのうニュースで見たので、子どもも、もう1人いるので、心配になって買いに来た」

25日夜、緊急会見を開いた小池都知事は、今週末の不要不急の“外出自粛”を強く要請。

一夜明けた26日も、都内のスーパーでは、異例の入場規制が敷かれ、店の外には買い物客の長い列が。

想定外の事態に、店のスタッフもてんやわんや。

70代女性「違うところにも行ったけど、みんな売れちゃってなかったから、こっちに寄ったらまだあったから助かった」

実は、こうして買い物客が店に殺到する現象は、25日夜から...。

SNSには、午後10時半に撮影された映像とともに「こんな店内は初めて...まさかここまでなくなってしまうとは」、「買い占め始まっとる」という投稿が。

同様の事態は、都内の各地のスーパーで発生。

買い物客がカゴいっぱいに食料品などを詰め込み、レジには大行列が。

20代女性(子ども1人)「その通りに(必要な分だけ買う)行動してくれる人はいないので、品薄が続いたら、結局、自分も買えないじゃないですか。だったら買えるときに買っとかないととは思ってしまう」

40代女性(子ども2人)「漠然とした不安はもちろんありますけど。このまま経済が止まってしまったり...」

『買いだめ』再び。

不安の心理が広がった“ワケ”とは。

26日に取材班が向かったのは、東京・足立区にあるスーパー。

店内には、たくさんの買い物客と、商品の補充に追われる従業員の姿が。

そこで、26日、買い物に来た理由を聞いてみると...。

40代女性「長持ちしそうな物、非常食になりそうな物を。ロックダウンになったらどうしようって!!」

今、注目のワードとなっている「ロックダウン(都市封鎖)」を心配する声。

こうした不安心理が、相次ぐ買いだめ現象の大きな引き金になっていると、心理学者の藤井靖さんは指摘する。

明星大学心理学部・藤井靖准教授「(東京の感染者)40名という大きな数字が出たことで、当然、人は不安になります」

ここで時を戻し、25日の出来事を振り返る。

「東京都で、新たに41人の感染が確認された」という速報が流れたのは、25日午後6時前。

するとこの直後、SNSには、「東京40人以上感染? ロックダウンくるかな」と、「ロックダウン」というキーワードがツイッター上で急上昇。

都内で感染者が急増したことを知り、先日、小池知事が言及した「ロックダウン」が間近なのでは? との不安が一気に広がった。

明星大学心理学部・藤井靖准教授「『首都封鎖』とか『ロックダウン』というような未知の言葉が出てくることで、人は不安になる。そういった状態になると、非常に極端な行動を取りやすくなってしまう」

すると、同じころには、早くも「また商品の買いだめに走る方向にならないか心配です」というツイートが。

そして、午後8時、小池都知事の緊急会見が始まり...。

小池都知事「この週末ですが、お急ぎでない外出は、ぜひとも控えていただくようにお願い申し上げます」

今週末の外出自粛を呼びかけると、この直後から、「東京はまた買いだめが始まっている。どんな週末になるのか...」など、「買いだめ」に関するツイートが急増。

そして、小池知事の会見が終わった午後8時40分すぎ、実際に買い物客が続々とスーパーに押し寄せた。

買い物客「週末、外出自粛になると聞いて、それでちょっと怖かったので」

明星大学心理学部・藤井靖准教授「1つ結びつけられたのは、ニューヨークの都市封鎖の様子。街の中に人がいないというような(ニューヨークの)ビジュアルと、東京都で発信された感染者40名以上という情報が結びついて、さらに不安を増幅させた」

さらに街では、コロナショックで直面した「不安体験」を思い起こした人も。

買い物客「トイレットペーパーみたいに、物がなくなるんじゃないかな」

記憶に新しいのが、トイレットペーパーやティッシュなど、紙製品の「品薄パニック」。

さらに、3月はじめには、学校の一斉休校などが突然決定し、レトルト食品や米などが一時的にスーパーから消えた。

明星大学心理学部・藤井靖准教授「(紙製品の品薄が)現在進行形のトラウマ(心的外傷)として、多くの人の中に抱えられている。そうすると、今度は食料品が不足するんじゃないかという考え・発想との結びつけが起こる」

しかし、この時も、急激な需要の増加に、在庫や配送が追いついていなかっただけで、品物自体が不足しているわけではなかった。

買い物客「(商品は)必ずありますよ。そんなに困ることはないと思うんだけど。ぜいたくしたらキリがないからね、それはわたしの考えで」

実は、小池知事が会見をした午後8時という時間帯にも、不安を広げてしまった訳があった。

例えば、あるスーパーでは、普段、午後9時の閉店が近づくと、スタッフやレジの台数を減らして対応。

普段であれば、人手のかからない時間のため、その時間帯に買い物客が殺到してしまうと、品だしなどにも遅れが生じるという。

ところが、一夜明けてしまえば、空だった商品棚もすっかり元通り。

25日は、残りもわずかになっていたお米も、26日朝の入荷分が補充され、山積みに。

買い物客「不安ではないですよ、これだけ(店内に)物が出てるから」

客が殺到し、入場規制をしていた、いさみ屋 要町店・三原慶子さんからも、「随時、切れないように物が入ってくるようには、うちも(発注)とってるので、運送の方が間に合わないだけなので、随時、落ち着いていただければ、入ってきているので大丈夫」という声があった。