「まれに見る殺人運転」 堺市あおり事故のドライブレコーダー映像をグッディ!で詳報

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  • 映像を見た広瀬修一キャスター「躊躇なくぶつかって行ったように見えた」
  • バイクの存在を認識 時速約96kmで追突…弁護士「殺意を否定するのは難しい」
  • 被告は殺意を否認するも検察側は「まれに見る殺人運転」と懲役18年を求刑

大阪・堺市で昨年7月、バイクに追い抜かれたことに腹を立て乗用車であおり運転をした上、追突して男子大学生を死亡させたとして、殺人罪に問われている中村精寛被告(40)。

1月17日、大阪地裁堺支部で裁判員裁判の第3回公判が行われた。
被害者遺族が意見陳述し、検察側は「追突の危険を認識しながら、あえて追突した」などとして懲役18年を求刑。

「直撃LIVEグッディ!」では、16日の公判で実際にドライブレコーダーの映像を見た広瀬修一フィールドキャスターが、映像からわかる事故当時の状況を詳細に説明した。

「被害者に追い抜かれた時、危険を感じた」その後始まった“あおり”

広瀬修一:
中村被告の車に搭載されていたドライブレコーダーの映像が法廷内で公開されました。
中村被告の車は最初、2車線のうち右側の車線を走っていました。
そして、左側の車線に変更しようとしたちょうどその時、被害者のバイクが被告の車を追い抜いていきました。

広瀬修一:
その後、3車線に増えたところで、ちょうど同じタイミングでバイクと車が車線変更をしました。
この時、中村被告の車はバイクに対してクラクションを鳴らし、ハイビームを当てました。
この行為について、中村被告は「自分が追い抜かれた時に危険を感じた。その危険性を訴えるためにやったんだ」と話していました。

広瀬修一:
中村被告の車はバイクにベタっとくっついたまま、数秒間後ろを追いかけていました。
しかし、このあたりは車の量が非常に多く、小回りのきくバイクは先に進んで行き、映像からはバイクの姿が分からないくらい離れていきました。

 
そこから中村被告の危険な運転が始まったという。

広瀬修一:
たくさん車がいる中、急に加速して、一気に左の車線から右の車線まで出て行ったんです。
すると、ドライブレコーダーの遥か彼方に被害者のバイクが見えてきたんですが、映像を見ていて、この急な車線変更と猛スピードは何なんだろうと感じました。

安藤優子:
被告の車はかなり強引に右の車線に移ったんですね。

広瀬修一:
この道路は時速60km制限ですが、この時の被告の車は時速100kmを超えていました。
この瞬間から追突まであと5秒という段階です。かなり距離は離れていたんですが、ものすごい速さで追いかけていきます。

時速約96kmで追突…「躊躇なくぶつかって行ったように見えた」

広瀬修一:
あおり運転と言うと、例えば2台がべったりくっついて追いかけることを想像しますが…
そんなことはなく、一気に進んで、時速およそ96kmで追突しました。

スタジオ:
ええ…

広瀬修一:
隣の車のドライブレコーダーの映像から、衝突のわずか1秒前にブレーキを踏んでいたことがわかったんですが、私が昨日見た映像では、ほとんど躊躇なくぶつかって行ったように見えました。
 

スタジオがさらに驚いたのが、その後の中村被告の行動だった。

広瀬修一:
追突後、被害者のバイクは画面から消えましたが、中村被告の車はしばらく走り続けました。
慌てて急ブレーキを踏むこともなく、そこそこのスピードで…走った秒数は10秒以上だったと思います。
そして停車した後に「はい、終わり~」という音声がありました。この言葉は、私の耳には明るい口調に聞こえました。

高橋克実:
これはもう、あおり運転じゃないですよね。車間を詰めてずっとくっ付いてあおるのが、あおり運転だと思います。
広瀬君の話を聞く限り、今回は右車線に入ってから何秒もしないうちに追突しに行っているわけでしょう。

軍地彩弓(編集者):
「はい、終わり」と言うこと自体、意図してやっているとしか私には思えないんですよね。これを殺人じゃないと言えるのか。

安藤優子:
川畑弁護士は、こういう状況について、率直にどのように思われますか。

川畑さやか弁護士(交通事犯など刑事事件に精通):
一番左の車線のところで、被害者にハイビームを当てていますよね。その時点で、少なくともバイクの存在は認識していたと言えると思います。
その後、バイクが車線変更したのを受けてか、被告自身2車線も車線変更しているんですよね。
そうすると、バイクの存在を認識した上で、危険なスピードでつっこんでいると。なかなか殺意を否定するのは難しいかなと思います。

広瀬修一:
車線を変更した理由などについて、中村被告はこのように主張しています。

「急ブレーキをする癖がない」3つの主張で殺意を否認

【中村被告の主張】

・車線を変更した理由:妻を迎えに行くため、(妻の勤め先がある方向へ)車線変更した
・バイクに気付くのが遅れた理由:腕時計を見ていたから
・急ブレーキを踏まなかった理由:(普段運転するトラックで)急ブレーキを踏むと荷崩れなどが起きるので、急ブレーキをする癖がない

 
広瀬修一:
たまたま車線変更をして、近づいてから初めてバイクに気付いたということです。
ドライブレコーダーの映像を見ると確かに一度バイクが画面から消えるので、本当に被告がバイクを追いかけて一番右の車線に移動したのかどうかというのは、被告にしか分からないとも言えます。
さらに加速した理由については、「腕時計を見ていて、そのはずみでスピードをあげた」「妻を迎えに行く用事があって、急いでいて余裕がなかった」というような趣旨の話をしていました。 

安藤優子:
ブレーキを踏んだのは本当に少しで、4~5km/hしかスピードが落ちてないんですよね。
普通だったら、あ!と思って、もっと力強く踏むと思います。 

高橋克実:
どんな人だって、急ブレーキを踏む癖なんて持っていませんよね。

 
中村被告は「あえて追突したわけではない」と殺意を否認しているが、検察側は「まれに見る殺人運転だ」と非難。衝突は故意だったと指摘して、懲役18年を求刑した。

(「直撃LIVE!グッディ」1月17日放送分より)

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