健康長寿の源 伝統の“琉球料理”がピンチ

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  • 次世代に残したいもの それは500年以上の歴史を誇る“琉球料理”
  • 健康長寿の源ともいわれる琉球料理が“若い世代”では食べる機会が減少している
  • どうすれば伝統の“琉球料理”を伝承できるのか?

沖縄の料理といえば…?

町で沖縄県民に聞いてみた「沖縄の料理といえば、何ですか?」

若い男性2人:
タコライス、身近にある食べ物なので…食卓にも並ぶし…

若い女性2人:
ゴーヤーチャンプル 卵とポークが入っています…

そう、ゴーヤーチャンプルは沖縄料理の定番メニューと言えますが、本来は缶詰のポークではなく、茹でた豚肉を使用する。

いま“本来の姿”が消えつつあるのが、500年以上の歴史を誇る伝統の「琉球料理」
琉球料理の研究科、松本嘉代子さん。この道の第一人者だ。

脈々と受け継がれてきた琉球料理が家庭で味わえなくなってきていることに危機感を募らせる松本さん。
様々な形で“本来の”琉球料理を次世代に伝えていこうと力を注いでいる。

琉球料理 研究科 松本嘉代子さん:
ミミガーは“耳の皮”って書いてミミガーです。これをできるだけ薄切りにします…
皆さんこれを食べたら“この味”を覚えてください。ちゃんとにかわ質(ゼラチン)もついていて、おいしいですよ…

松本さんが、琉球料理の本来の味を次世代に伝えていく上での大切にしていることは、「じっくりと時間をかける」という点だ。この日も多くの人々を前に「じっくりと時間をかけること」の大切さを伝えていた。

琉球料理 研究科 松本嘉代子さん:
イリチーは最初は油で炒めます。途中からおだしを入れながらゆっくり、じっくり煮ていく方法を“イリチー”って言います。油で炒めてどんどん仕上げたら“何とか炒め”です。昆布だったら昆布炒め煮しかならないし…

琉球料理 研究科 松本嘉代子さん:
今は何でもある(豊かな)時代になりました。お金さえ出せば、いつでも買って食べられる。
大事なことは“味の伝承”。食べさせないと味は残っていきません。正月の時におせちを食べるように、行事ごとに家族とか地域で、伝統料理を作ることで広まって伝えられていくと思うんです。

“沖縄料理”と“琉球料理”の違いは?

那覇市内にある伝統的な琉球料理の店「美榮」。
かつて沖縄でお正月におせちのように食べられていた「宮廷料理」の東道盆(とぅんだーぶん)が味わえる料亭だ。このような宮廷料理は、今では沖縄の若い世代はほとんど食べる機会がない。

琉球料理 美榮 上野奈緒子さん:
東道盆(とぅんだーぶん)は、宮廷時代からお客様をおもてなしする際に使われた、器のことを意味しています。

いかを蟹のように模った「花いか」、喜ぶの語呂合わせで家族の健康と繁栄を願う「メカジキの昆布巻き」
このように宮廷料理には、味と共に様々な思いが料理に込められている。

沖縄の宮廷料理の特徴は、一つ一つの料理にカツオ節と豚肉の出汁をふんだんに使い旨味を大事にすることだ。しかし、どうしても手間がかかってしまうため、戦後、アメリカの影響を受けた食文化の移り変わりの中でいわゆる“沖縄料理”にとってかわられていったのだ。

琉球料理 研究科 松本嘉代子さん:
先人たちが立派な食文化の遺産をちゃんと残してくれていますので、それを私たちが守っていかなくてはならない…無くならないように…

健康長寿と言われた時代の沖縄を支えてきた“琉球料理”を途絶えさせてはいけない。松本さんはこうした思いで味覚の伝承を続けている。

(沖縄テレビ)

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