お菓子をかじる音やソーセージの裂ける音…耳に響く心地いい反応「ASMR」に企業が注目

カテゴリ:ビジネス

  • 物を食べたり電卓を打つ“音”などにゾクゾクする反応「ASMR」
  • 老舗菓子メーカーのカンロはASMRを利用して売り上げ約3割アップ
  • ASMRは「耳で感じる4K」SNSを通じてヒットの近道に

心地よい音が消費を促す「ASMR」

昨今、ネット動画などで世界的に話題になっているASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)
食べ物の咀嚼音や電卓を打つ音などにゾクゾクしたり、心地よさを感じる反応のことだ。

実は、この音に注目をする企業がある。大正元年創業の老舗「カンロ」が、東京・新宿に2月20日にオープンする直営店。

ポップな店内には、インスタ映えしそうなカラフルなあめやグミが並ぶ。

ヒトツブカンロ ポップアップストア(新宿ミロード店)

中でも人気の商品が、「グミッツェル」(6個入り 税込み800円)。外側はパリッと、中はしっとりとした独特の食感ならではのある体験ができるという。

「グミッツェル」

グミのASMRをヘッドホンで体験 SNS効果で売り上げアップ

マイクの前でグミを食べると、ヘッドホンから噛む音を聞くことができる「咀嚼音体験」。臨場感ある音は、スマホで録音もできる。

カンロが音を利用したこの取り組みのそもそものきっかけは、動画サイトに公開されていたグミッツェルのASMR動画。

中には、再生回数が160万回を超えるものもあり、音による需要の掘り起こしを思いついたという。
実際に動画が投稿されてからの売り上げは、前年に比べおよそ3割アップした(2019年9月~12月)。

カンロ執行役員・内山妙子さん:
今回、SNSでこういう広がり方をして、「食べてもらわなくても、音でこれだけ広がっていったり、お客さまが増えるんだ」と一般の人に固定概念を崩していただいた。

カンロ執行役員・内山妙子さん

“ゾクゾク感”がヒット商品への近道に

こうした音によって広がる商品の魅力。

日本ハムが公開しているシャウエッセンのWEB動画では、パリッと軽やかな音を立てて割れるウインナーが登場。天然の羊の腸からあふれ出る肉汁の音はシャウエッセンのこだわりの製法が生む音だという。

さらに、再春館製薬所のCMでは、お手入れシーンで保湿液が肌に吸いつくような独特な音が聞こえる。
保湿液の潤いで満たされた肌から出るこの音を、商品独自の特徴として捉えて表現したという。

視覚に加え、音が生み出す商品の新たな魅力。ゾクゾク感が、ヒット商品への近道となるかもしれない。

梱包材のプチっ・三枚おろしのガリガリ・ビールを注ぐトットット

そこで、暮らしの中にある耳で感じる小さな幸せについて、街の働く皆さんに聞いた。

事務職(20代):
梱包材のプチってやつをつぶす音が好き。全部つぶしますね。まとめて踏みつけたりとか、1個ずつつぶしたりとかする。時間を忘れます。

ーーざっくり、どれくらい時間かかる?

事務職(20代):
全然覚えてない、本当に忘れちゃう。

事務職(20代)

IT関係(30代):
魚屋をやっていたんですけど、魚を三枚おろしする時の包丁を通す音。ガリガリっていう。骨にちゃんと沿って包丁を当てないと鳴らない音なんです。その音を鳴らすために仕事を頑張っていた。

ーーその音を初めて聞いた時はどう思った?

IT関係(30代):
音が全然違うなと、最初やった時と。うれしかったですね。

IT関係(30代)

飲食関係(30代):
ビールをグラスに注ぐ、トットットットって音かな。「今からこれを飲んでやるぞ」っていう、期待感高まる感じが何とも言えない。

ーー音を楽しみたいからやっていることは?

飲食関係(30代):
家でやるだけですが、でかいグラスを使うことで、その音を長く出す。小さいグラスはトットット。大きいグラスはトットットットット…

飲食関係(30代)

ASMRは「耳で感じる4K」若年層の獲得にも

三田友梨佳キャスター:
皆さんのいろいろな声を聞いていると、この音もいいなという考えが浮かびますが、崔さんはどんな音が心地よく感じますか?

エコノミスト・崔真淑氏:
焼き肉の「ジュウ」という音を聞くとお腹がすいてきます。ASMRは、私のイメージでは「耳で感じる4K」という、それぐらい高音質なものかなと思っています。
これまでの心地いい音というと、波の音とか砂の音という自然界の音でした。でも、ASMRが行った革命は何かなと考えると、生活音。
食べ物の音やいびき、電車の音など、そういったものを音コンテンツに昇華したということが、ビジネスとしても面白いなという印象でした。

崔真淑氏

三田友梨佳キャスター:
確かに暮らしの中にある音だと、私たちが手に取る商品や利用するサービスにも親和性がありますよね。

エコノミスト・崔真淑氏:
すごく親和性があると思います。特に鉄道や食品といった、いわゆる成熟企業で若年層を何とか獲得したいけれどできない企業が、音コンテンツに親和性のある若年層を獲得するのに使えるんじゃないかと思います。
若年層の間でも音コンテンツ、音ビジネスというのが急拡大してるということがいろいろなところで報道されていますし、成熟企業が若年層を獲得したい時にかなり効いてくるのかなと思いますね。

三田友梨佳キャスター:
ちなみに私は、お風呂でリラックスしている時に、お風呂場にポチャンと響く音が好きです。皆さんは、日常のどんな音に心地よさを感じるでしょうか。

(「Live News α」2月19日放送分)

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