5年保存できる「備蓄食ゼリー」 を開発…東日本大震災を経験した“食”への思いが詰まっていた

カテゴリ:国内

  • ゼリータイプの備蓄食「LIFE STOCK」に注目
  • 宮城県に本社のある企業が東日本大震災の経験から開発
  • 担当者「災害時でもほっとする時間を提供できれば」

わずか9時間でクラウドファンディング達成!

関東大震災が発生した日でもある9月1日は防災の日。
この防災の日を中心にした1週間は「防災週間」として、毎年各地で災害に関するイベントが開催されたり、防災グッズの確認などが呼びかけられている。

そんな防災への意識が高まる9月1日から、クラウドファンディングサイト「Makuake」に、5年間常温保存できるゼリータイプの備蓄食「LIFE STOCK(ライフストック)」が登場し、注目されている。

この「LIFE STOCK」は、宮城県に本社のある株式会社ワンテーブルから発売される、パック入りのゼリー食品。
アップル&キャロット味の「バランスタイプ」と、洋梨味・ぶどう味の「エナジータイプ」の2種類が用意されている。

「LIFE STOCK」は9月1日から目標金額50万円でクラウドファンディングを行っていたが、開始からわずか9時間で目標達成。9月10日現在、350%の達成率となる175万6000円を集めているのだ。

そのポップなデザインも相まって、一見普通のゼリー飲料にも思える「LIFE STOCK」だが、一体どのような点が災害用に優れているのだろうか?
株式会社ワンテーブルにお話を伺った。

震災の経験から「誰でも食べられる備蓄食」を

――開発のきっかけは?

東日本大震災を経験したことがきっかけです。
水が不足する中、乾パンを食べる辛さ、アレルギー症状を覚悟してでも支給される物資を食べなければならない子供たち、硬いものは食べられないお年寄り…そんな方々を身近に見てきて、避難所における食の課題を解決できる備蓄食があるべきだと痛感したのです。
小さな子供も、お年寄りも、障害や病気を抱えている方たちも食べ易いものを、とずっと考えてきました。


――災害時の非常食として優れている点はどこ?

まず、常温で5年以上備蓄可能である点です。水分を多く含む商品は長く保存することが難しいので、水なしで食べることができる商品として長期保存できる点が大きな特徴です。
次に、多くの方に召し上がって頂きやすいという点です。ゼリーのようにとろみのある食品は嚥下障害のある方にも召し上がって頂きやすいと言われています。また、LIFE STOCKのバランスタイプは胃ろうの方でもお召し上がりいただくことができたという実績もございます(個人差はあります)。
また、省スペースでの備蓄が可能であること、食べ終わった後のゴミがとてもコンパクトになることも避難所における生活環境改善に貢献できると考えております。


――どのように食べるのがいい?「LIFE STOCK」ひとつで食事はOK?

シチュエーションよって異なります。
例えば、発災直後は混乱し、食事の準備に時間を費やすことができません。その際、手軽にカロリー補給ができる「エナジータイプ」は最適です。200kcalあるので、腹持ちはかなり感じて頂けるかと思います。復旧作業をされる方や、救助作業などなかなか食事の時間が取れない方は、ポケットに入れていつでも片手でカロリー補給できるという事も考えての商品です。さらに、朝食としてや体調が万全でないときにも召し上がって頂き易いかと存じます。

「バランスタイプ」は、栄養バランスが崩れがちな避難所における食生活を少しでも改善できればと思い開発しました。こちらは補助的に召し上がって頂ければと思います。また、高ストレスの避難所における生活で気分転換やデザートとしてもご活用頂けます。


「LIFE STOCK」開発のきっかけは、2011年に発生した東日本大震災。
ワンテーブルの本社は宮城県名取市の仙台空港近くにあり、震災発生直後から被災者の姿を見てきたという。

その際、痛感したというのが、水が不足する中で「誰でも食べられる備蓄食の必要性」

また、災害発生時、水がないことはカップラーメンやスープなどの保存食が作れないことや、飲み込みにくいものが食べられないことだけでなく、脱水症状や熱中症、便秘、エコノミークラス症候群などの「水分を摂取するのを控えることによる健康被害」が発生する原因になる。
さらに、おにぎりやパン、麺類などの炭水化物中心の食生活になることで栄養が偏り、免疫力が低下することで風邪や感染症が広がってしまうこともある。

そんな時に水分と栄養を同時に摂取できるゼリータイプの食事に着目したという。
編集部で調べたところ一般のゼリー飲料は賞味期限が1年程度のものが多いが、「LIFE STOCK」は独自の充填技術と特殊構造のフィルム、内容物のレシピコントロールによって約5年の保存が可能だという。

また、ワンテーブルはJAXAとの共創プロジェクトに取り組んでいて、災害食と宇宙食で共通の課題が多いことから、双方が持つノウハウを組み合わせて被災時に不足しがちな栄養素の配合を行ったという。

災害時に「食の力で心と身体に健康を」

支援者からは「ビタミン剤を飲むのにも水が必要だから、水分と栄養が一緒にとれるのは嬉しい」「5年半も保存しておけるのは便利!」「食事制限を必要とする家族、超高齢者の家族がいるためとても助かる」など、ゼリータイプの備蓄食に期待の声が寄せられている「LIFE STOCK」だが、もうひとつこだわっているのが、そのお味。

現在は3種類のフルーツの味で展開しているが、今後地元の食材や一流シェフとコラボする予定もあるとのことで、「おいしい備蓄食」を作ることにも意欲的なのだ。

今後の地元食材とのコラボイメージ。フルーツ以外にもコーヒーなどのフレーバーが

――非常時における「食」とは?

地元食材の方がなじみや安心感があると、実際に東日本大震災を経験して感じています。
非常時だからワガママを言うべきではない、という声もありますが、ストレスから体調を崩したり食欲をなくしてしまう方も多い、過酷な環境である避難所においては、食の力で少しでも心と身体の健康に寄与できればと考えております。より身近な食材で「災害時」といえども安心安全や、楽しさ、ほっとする時間を提供できればと思っています。

――反響について…

防災の日にスタートしたこともご注目頂けた理由の1つかもしれませんが、頂戴しているご質問やメッセージを拝見しても、みなさま大変意識が高いと感じております。
また、様々なご要望も頂戴しており、多様なニーズがあることを実感するとともに、このような商品に対する期待の高さも感じております。

気になるお値段は、「Makuake」にて現在最も多くの支持を受けている、「エナジータイプ」が8個・「バランスタイプ」が16個入ったセットが6,000円(送料・税込)。
年内には一般向けの通信販売を開始する予定ということで、販売価格などは現在検討中だという。

震災の経験から生まれた、被災者が本当に欲しいと思うポイントを詰め込んだ保存食。
いざという時に健康を支える「食」の備えの見直しをこの機会にしてみてはいかがだろうか。

「常識が通用しない…いま備える防災」特集をすべて見る!

常識が通用しない…いま備える防災の他の記事